医師転職

クリニック開業時は決めることだらけ、内装、外観、家具#5

場所が決まったら開業の準備は半分くらい終わった気分になりますが、場所が決まってからも決める事がとにかくたくさんあります。

クリニックの建物を借りる、建て貸しとは?

そのクリニックモールは某大手のハウスメーカーが募集していたところで、クリニックも多く手掛けていました。形式としては建て貸しというもので、建物をオーナーが資金を出して建てて、それを借りるという形式でした。この形式ですと、戸建の場合の建物を建てる費用、テナントの場合の内装の費用を負担しなくてもいいので、最初に大きな資金が必要ないというメリットがあります。当時資金繰りの苦しかったうちの法人としてはありがたい形式でした。

間取り、外観と内装を決める

そこで大手のメーカーの設計の方が、間取りと外観の提案をしてくださいます、この時、外観はモールのオーナーが決める場合もあるでしょうが、その時はこちらの希望通りでいいですよ、という事でしたので、スペインというかイタリアというか南欧風の外観を希望しました。間取りは銭湯方式で、入り口を入ったところに受付があってその裏手に両科共通の処置室を置き、左手に精神科、右手に小児科とし、待合のスペースは小児科:精神科を7:3程度に割り振りました。診察室はそれぞれ二つ作りました。精神科の待合と受付の間にはスリット状の目隠しを設置しました。

間取りが決まると内装の提案をしてくださるわけです。

内装の提案が、、、

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コンサル会社の評価は?診療圏調査#4

場所を決めてしまったらあれこれ考えても仕方ないとは思うのですが、誰しも評価は気になるものです

クリニックモールの募集科目は信じていいの?

クリニック向けの物件を探すときにクリニックモールを検討する方は多いと思います。クリニックモールの募集要項をみると、「〇〇科に向いています」といった事がかかれていますが、あれは鵜吞みにしてはいけません。同じクリニックモール内にその科がないというだけの事がままあります。

診療圏調査

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クリニックの成功は立地7割?駅前か郊外か?#3

ひとまず銭湯のような動線で小児科と精神科を同じクリニックで共存させる事は決めました。

クリニックの立地、精神科と小児科で異なるニーズ?

クリニックが成功するかどうかは立地で7割程度が決まると思われます。精神科クリニックのいい立地といえば、駅近の方が通院の利便性が高いと思います。そして、あまり表通りに面しているところよりは一本筋を入ったところとか、ビルの2階以上がいいように思います。小児科の場合どうでしょう? 続きを読む

旧知の小児科医、田舎で窮地に#1

旧知の小児科医

私の大学時代からの友人で、小児科の先生がいました。その先生は小児科医になるくらいですから非常に真面目な先生で、名古屋大学の小児科医局に所属していました。名古屋大学の小児科医局は、他の医局と同じように医局人事があって基本的に独身の男性は遠くに飛ばされやすいというよくある医局でして、彼もある山深い地方都市の中核病院に赴任を命じられました。

地方都市の小児科医は激務

その病院は結構田舎にあるのですが、田舎ゆえに医療圏が広くて人口密度は低いけど、医療圏内人口は多い病院でした。常勤医3名、コール当番が週2,3回あって、出産も扱っている病院でした。コール当番なんだから呼ばれない時もあるとお思いになるかもしれませんが、小児の急患だけでなくて出産などでも夜中に呼ばれるので、コールといっても実質ほとんど当直のようなかなりの激務と想像されます。

睡眠不足と激務で窮地に

彼のその病院への赴任と、私の相模湖病院への転職は同時期で、距離は遠く離れていましたが、定期的に連絡はとっていました。当時は以前からしていた非常勤の外来を名古屋でまだ月に一回ほど続けていたので、2,3か月に一度会ってました。「転職して急に理事長になることになりそうだよ」などの相談もしていました。彼は基本的にストイックでハイパーな人間でしたが、やはりそれだけコール当番が頻回にあると、激務と睡眠不足が重なり疲れが溜まっていったようです。会うたびに、徐々に元気がなくなっていってしまって、まさに過労による適応障害になる一歩手前という感じでした。

サテライトクリニック院長を打診

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Ⅲ-1 理事長を引き受ける?

このような状況で皆さんなら理事長を引き受けますか?

もし理事長を引き受けたら最大のリスクは?

当時のわたしもかなり悩みました。連帯保証人にはならなくていい、と言われていましたが、この点は遠からず、銀行から何か言ってくるだろうという予感がありました。ではもし連帯保証人を引き受けたらどうなるのでしょうか?
億単位の借入金ですから、一般人のわたしが、矢沢の永ちゃんみたいにCM出まくって何十億の借金返すとか無理ですし、自己破産するしかないのは明らかでした。

その頃のわたし自身には資産らしい資産は貯金が500万程度あるのみでしたので、経営再建に失敗して自己破産してしまっても失うのはその500万だけです。

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Ⅱ-6 借金20億!債務超過?BS?PL?

遠からず院長になることは内心想定していましたが、理事長って普通ならないですよね?それにはもちろん理由があるわけでして

債務超過と言われても

理事長を依頼された時に法人の財務状況の説明を受けました。入職前は全く知らなかったのですが、借入金が約20億円あり、債務超過が10億程度とのことでした。当時私は財務諸表を見たりだとかそういったことは全く知識がなくて、債務超過?BS?PL?経常利益?ってレベルでしたのでその場で決断できるはずもありません。いったん持ち帰らせてもらって、まずはkindleで100円とか無料の決算書の読み方的な本を何冊か読んでみました。付け焼刃ではありますが、財務諸表については少し理解しました。(債務超過や、財務諸表の見方については別のページを用意する予定です。)

当時の東華会の財務状況

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Ⅱ-4 不思議なマネジメント形態

通常の病院では、経営者として理事長がいて、院長、事務長、看護部長の三人がそれぞれの現場のトップで、そのメンバーが運営の中心という形態が多いのではないかと思います。

マネジメントを誰がしているのかわからない

相模湖病院に入職当初は、この病院はどこでなにがどのように決まっているのかよくわからないな、という印象を抱いていました。
何か新しい提案をしても、なかなか結論が出ないし、場合によってはうやむやなまま月日が過ぎるだけでした。

当時の相模湖病院は院長は前述のような方で(Ⅱ-1 トンデモ院長part1)ありましたからもちろん病院の運営にはノータッチでした。

不思議な運営状況

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Ⅱ-5 入職一か月で理事長??

合議制で運営している事は何となくわかってきましたが、理事長はいったいどこにいるのでしょう?

理事長は雇われ理事長

雇われ院長というのはよく耳にすると思います。当時の相模湖病院には理事長はもちろんいたのですが、その人は変な言い方ですが雇われ理事長で、以前に相模湖病院で非常勤をされていた先生に名前だけ理事長をお願いしているという状況でした。実質的には会長と呼ばれる人がいて、その人がオーナーでした。オーナーは相模湖病院の開設者の息子さんで、医師免許が取れなかったので理事長になれず、会長という役職でオーナーとして仕事をされていました。

オーナーの急逝

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Ⅱ-3 トンデモ精神科医

院長は事前に聞いていた以上のトンデモぶりでした。ですが、さらに以前の相模湖病院にはもっとすごい先生たちがいました。

院長はトンデモでしたが、部下の方は?

院長は前述のとおりの方でしたが、部下の方はといいますと、残念ながらこの先生はまともに精神科医としてのトレーニングを受けていらっしゃらないのではないかというのがわたしの印象でした。

処方をPSWに相談するの?

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Ⅱ-2 トンデモ院長part2

転職先の院長は勤務時間もトンデモでしたが、診療内容もトンデモでした。

Hba1cを週に二回検査

当時の院長は検査の仕方がめちゃめちゃで、たとえば糖尿病の患者さんがいらっしゃるとヘモグロビンa1cの検査を週に2回3回とオーダーしていました。すべての検査がその調子で、当然ヘモグロビンa1cを週に2回3回と検査してもレセプトは通らないので持ち出しになるわけです。それを医事の人間が院長に進言すると、「それを通すのがお前らの仕事だろう」と言って怒鳴り、カルテを投げつける始末でした。

外来は一日三人まで?

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