クリニック開業

早雲会では今までに3つのクリニックを開業しました。
その時々で迷った事、考えた事は異なります。
今から振り返ると間違っていた事などもあるのですが、なるべくその当時の心境や考えに沿って記述しています

溝の口に決定#3

場所を登戸に決定したもののテナントがありません。オープンまでは時間的余裕はあったのですが、少し範囲を拡げて探し始めました

人間は一度決めるとその考えに引きずられるもの

あれこれ迷っていた時はどちらも魅力的に思えていたのに、一度決めるとそちらの方が圧倒的に魅力的に思えたりして、それが品切れとかになっているとヤフオクやメルカリで高い値段でも落札してしまった経験ってありませんか?

一旦、「老健たかつ」の近くと決めたらそれがベストのように思えてしまって、南武線沿いのターミナル駅、溝の口と武蔵小杉を調査し始めました。

タワマンの林立する武蔵小杉

武蔵小杉って10年くらい前までは南武線と東横線の乗換だけだったのが、東急目黒線が延伸してメトロと相互乗り入れになり、さらに横須賀線、湘南新宿ラインの停車駅になり、どこかの大手ディベロッパーが次々とタワマンを建てて一気に発展しました。

朝のラッシュの凄まじさは、改札に入るのに15分並ぶと言われているくらいの人の多さです。

競合を調べてみると6-8ありました。(少し遠いものを含めると8でした)

「老健たかつ」からほど近い溝の口

老健たかつの最寄り駅は武蔵新城なんですが、老健たかつを訪問した時に便がいい溝の口駅までスタッフに送ってもらった事が何回かあったので馴染みがありました。駅前にマルイがあってかなり大きな駅です。東横線と並んでブランドのある田園都市線の駅で「金曜日の妻たちへ」の舞台になった二子玉川(通称ニコタマ)の隣の駅です。JR南武線、東急田園都市線、東急大井町線の乗換駅です。不慣れな頃に田園都市線と間違えて大井町線に乗って自由が丘で東横線に乗り換えて目的地の渋谷に行った事もあります。競合は6でした。(この記事を書くのに金妻のwikiを見たら私が観ていたのは3でした。小林明子の「恋におちて」は橋本の院長の十八番です)

競合の数は同じ位だけどどちらがいいか?

両者のテナントを探しつつどちらがいいのか、考えていました。テナントの家賃にもよるところがあったのですが、結局は溝の口にしました。どちらも競合は多かったのですが、見つかったテナントが競合よりも駅から近かった事が最大の決め手でした。その分家賃は高かったですが、このときの早雲会の体力なら黒字になるまで耐えるのもそんなに問題なかったので溝の口に決定しました。

<前の記事-クリニックの立地で悩む#2- <「みぞのくち開業」記事一覧>

クリニックの立地で悩む#2

早雲会に転職して来てくれる先生の紹介を受けたので3番目のクリニックの計画をスタートしました

北条の本部は小田原?

北条クリニックだからやはり小田原城がほしいという思いもありましたが、現実的にその先生の通勤が厳しかったので断念しました。

早雲会の介護施設が点在する横浜・川崎?

効率的に運営するにはある程度他にも施設がある場所、すでにクリニックが存在する橋本、相模大野から交通の便がいい場所や介護施設がある横浜・川崎が望ましいと考えました。ただ、一口に横浜・川崎と言っても広いです。

第一候補は登戸

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第3のサテライトクリニック計画#1

相模湖病院の院長から早雲会へ転職したいという精神科医の紹介を受けました

病院はすでに人員が過剰気味

病院の医師数的にはこれ以上病院で医師を増やしてしまうと過剰になってしまう数になってきていました。

適正な人数というのは算出方法が難しいですが、早雲会の場合は以下のように算出しています

病院における適正な医師数

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マネジメントは大変です#7

2つ目のクリニックをオープンしてみると1つ目では起こらなかった問題点が出てきました。

人間はなくなって初めてそのものの重要性に気づくことが多い

1つ目に開業した橋本のクリニックは常勤の看護師さんが大変気がつくかつよく働く方でほかのスタッフにも細々と注意をしてくれました。院長が特にスタッフに注意するという事がなくてもみないい緊張感を持って働いてくれていました。

2つ目に開業したおおのの場合はそういった存在のスタッフがいなくて院長はいるんですが、院長といっても元々うちの法人で常勤で働いていた先生で診療内容は信頼のおける先生ですが、マネジメントの経験はありませんでした。

基本的に人に注意するというのはストレスですし、そういう経験も普通はないので、なかなか注意するということはできない部分があります。そもそもドクターは診察中は診察室にこもってしまいますので目も行き届きません。

緊張感がないとそれは患者さんにも伝わる?

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郊外と駅前、患者層に違いは?#6

二つ目のサテライトクリニックが相模大野駅前でオープンしました

立地によって患者層は異なる

一番最初に開業したサテライトクリニックは郊外型でありました。郊外型の特徴なのかどうかは1件しかないので断定はできませんがそちらの場合は患者さんは主婦層的な方が中心で、どちらかというと現在フルタイムでは働いていない方が多く、疾患としては軽い不安だとか親の認知症だとかそういった病状の方が多かったです。 続きを読む

精神科、曜日によって担当医が異なるメリット・デメリット

当法人内のクリニックは同じ先生がずっと診察をするシステムではなく、曜日によって担当医が異なるシステムを採用しています。これにはメリットもデメリットもあります

曜日によって担当医が異なるデメリットは?医師視点

再診の患者さんが実質初診:早雲会では、予約をとる段階は再診の患者さんの場合は1時間に12人予約をいれています。この中で当日時間変更や日にち変更をされる患者さんがいらっしゃるのでだいたい1時間に10人程度診る事が多いです。何度も診察している患者さんの場合はこのペースはそんなに無理なく診れると思っていますが、この中にいつもは他の曜日に受診している方がいらっしゃると、ペースが大きく狂います。その後待ち時間が増えてしまった患者さんにもご迷惑をおかけする事になってしまいます。

曜日によって担当医が異なるデメリットは?患者視点

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早雲の野望について〜目次へのリンクはこの記事にあります〜

 

早雲会の理事長の原です

(記事の順番がわかりにくとご指摘いただいたので、目次を追加しました)

早雲会では、病院、クリニック、介護施設を運営しています。

普通は病院の理事長というと跡継ぎであったり、自分でゼロから作るかのいずれかの場合が多いと思いますが、私の場合は特殊でした。

その顛末をまとめたものが

転職したらいきなり借金20億の病院理事長になった件 目次

です。

理事長になってからクリニックを3つ開業しました。やってみないとわからない事がやはりたくさんありました。それをまとめたものが

はしもと開業 目次

おおの開業 目次

みぞのくち開業 目次

です。

支援機構卒業後、法人のマネジメントの記事 目次

支援機構卒業後の医療法人運営 目次

その他、わたしなりに気づいた事を記事にしています。読んだ方の参考になれば幸いです。

早雲会のご紹介

 

家具って高い#5

家具を購入する機会は普通はあまりないと思います。家具の相場が頭に入っている人はいないのではないでしょうか?

家具は想像以上に高いです

クリニックの待合室や診察室などには、ソファやイス、テーブルなどがあると思うんです。例えば待合室の3人掛けのソファっていくらくらいすると思いますか?ニトリやイケアで買えばせいぜい5,6万かなというイメージではないかと思います。

橋本を開院した時は大手メーカーのデザイナーさんが提案してきた3人がけのソファーが40万以上でした。(あまりに高いと思ったのでその時は取引のあったオフィス家具を扱っている会社から購入しました)

今回のデザイナーさんの提案は?

今回の内装のデザインをお願いしたデザイナーさんも家具も提案してくれたのですが、はしもとの時とはちがってセンスもよく価格も妥当でした。

実際どれくらい?

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相模大野に決定したものの#3

診療圏調査の結果はあまり芳しくなかったですが、ひとつ前の記事で述べたように精神科には特殊性があります。相模大野でいこうと決意したものの思わぬ横槍がありました。

支援機構とメインバンクの了解をとらないといけない

この当時はすでに放牧モードに入っていたのであまり気にしていなかったのですが、モニタリング会議で相模大野に新しいサテライトクリニックをオープンしたいと提案したら、意外な抵抗にあいました。

言い分はもっともですが

支援を受けている中で新規事業をするのはいかがなものか。という点が一点。

そんなに競合が多いところに作ってほんとうに大丈夫か?というのが二点目

客観的にみればごもっともな意見でしたが、ついこの前まですっかり放牧モードだったのにと思いました。 続きを読む

はしもと総括#12

はしもとについて総括したいと思います。

小児科について

まず小児科についてですが、小児科に適した立地ということで選定したところもあり、それなりに流行っています。ところが小児科そのものは通年で見るとあまり黒字がない、ほとんどとんとんといったレベルになっています。 続きを読む