2018年 3月 の投稿一覧

Ⅲ-2 病院って儲からないんです

自分が経営に関わるようになる前は病院の経営って儲かるんだと思っていました。ある程度以上の病院の院長、理事長なんて言ったらお金持ちってイメージありますよね?

この記事の内容は当時のわたしは理解していない内容でした。このブログでは基本的に当時の自分の理解をなるべく再現するように心がけていますが、今だからわかる事も時々記事にしていきたいと思っています。

厚労省発表の全国の病院の平均的利益率

厚生労働省が発表している資料でH27の病院経営指標をみると
199床以下の精神科病院の利益率が2.1%、200-299床の精神科病院が4.1%、300-399床が5.0%、400床以上で5.4%となっています。
相模湖病院は実質187床で回していたので全国平均だと2.1%です。

多くの精神科の収入源

当時(今でもかもしれませんが)、精神病院のドル箱は療養病棟とデイケアだと言われていました。療養病棟は単価は安いですが、スタッフの数が少ないので利益が出しやすいです。ちなみに相模湖病院は廊下幅が数センチ足らなくて療養病棟には転換できませんでした。デイケアは算定できる日数が少しずつ削られてきているので、今となっては当時ほどの利益は見込めないと思われます。相模湖病院のデイケアは参加者が多い日でも5名で収入源どころか赤字垂れ流しでした。

病院の利益を概算、相模湖病院の場合

利益率を多く見積もって5%としましょう、精神科一般病棟の平均単価は13700円です。病床稼働率が95%としましょう。そうすると、(当時の相模湖病院の実際の数字とは異なります)

187×0.95×13700×365=888338825(売り上げ)×0.05=44416941.25(利益)

となります、利益は約4500万という事になります。それに外来や自費分の収入をいれて、合計5000万の利益があるとしましょう。 続きを読む

Ⅲ-4 病院の改革のために

細かな改革を苦労しながらすすめていくうちに数か月が過ぎ、旧知の小児科医とクリニックを立ち上げる話が浮上してきていました。(はしもと開業記事一覧)それとは別に病院の更なる改革のためにはまともな精神科医が最低あと一人ほしい状況でした。

製薬会社の講演会の司会

製薬会社主催の勉強会で、司会をしてほしいという依頼がありました。当時忙しかったので引き受ける事は大変だったのですが、少しでもつてを作りたいと思い引き受けました。名古屋の大学を出て名古屋の医局に所属し名古屋で働いていたので、当時の私は関東で知り合いと呼べる先生がほとんどいませんでしたから、そういった機会に少しでも知り合いを増やしたいなと思ったのです。

講演会の慰労会で

その際メインの講演をする先生、当時5年目か6年目の指定医をとったばかりの先生ですが、その先生と打ち合わせと打ち上げで会食する機会がありまして、それなりに意気投合して、その直後の地方の学会でも食事をする事になりました。当時はすでに製薬会社主催の会食はなくなっていたのですが、講演会はまだまだありました。

常勤医が増える事に

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クリニック開業時のスタッフ集め#7

オープンの日は工事の進捗が遅れて2月になりました。次はスタッフ集めです

小児科・精神科、必要なスタッフは?

小児科的には看護師さんは必須です、常勤一人とパートで2名ほど確保したいところです。受付のスタッフは常勤を雇うまでもないだろう、パートを何名か雇おうと決めました。精神科的には臨床心理士を、事務長兼任で常勤で一人雇って、心理検査や予診もお願いしようと決めて、スタッフを募集し始めました。

応募状況は?

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クリニック開業時は決めることだらけ、内装、外観、家具#5

場所が決まったら開業の準備は半分くらい終わった気分になりますが、場所が決まってからも決める事がとにかくたくさんあります。

クリニックの建物を借りる、建て貸しとは?

そのクリニックモールは某大手のハウスメーカーが募集していたところで、クリニックも多く手掛けていました。形式としては建て貸しというもので、建物をオーナーが資金を出して建てて、それを借りるという形式でした。この形式ですと、戸建の場合の建物を建てる費用、テナントの場合の内装の費用を負担しなくてもいいので、最初に大きな資金が必要ないというメリットがあります。当時資金繰りの苦しかったうちの法人としてはありがたい形式でした。

間取り、外観と内装を決める

そこで大手のメーカーの設計の方が、間取りと外観の提案をしてくださいます、この時、外観はモールのオーナーが決める場合もあるでしょうが、その時はこちらの希望通りでいいですよ、という事でしたので、スペインというかイタリアというか南欧風の外観を希望しました。間取りは銭湯方式で、入り口を入ったところに受付があってその裏手に両科共通の処置室を置き、左手に精神科、右手に小児科とし、待合のスペースは小児科:精神科を7:3程度に割り振りました。診察室はそれぞれ二つ作りました。精神科の待合と受付の間にはスリット状の目隠しを設置しました。

間取りが決まると内装の提案をしてくださるわけです。

内装の提案が、、、

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はしもと開業 記事一覧

はしもと開業の記事一覧です。

旧知の小児科医、田舎で窮地に#1

小児科と精神科のコラボ#2

クリニックの成功は立地7割?駅前か郊外か?#3

コンサル会社の評価は?診療圏調査#4

クリニック開業時は決めることだらけ、内装、外観、家具#5

クリニックオープンに最適な季節は?工事が遅れて、、#6

クリニック開業時のスタッフ集め#7

内覧会とクリニックオープン#8

小児科は口コミで伸び、精神科は口コミとネット検索で伸びる#9

あなたも退職希望ですか??#10

精神科は曜日によって患者数が大いに違う#11

コンサル会社の評価は?診療圏調査#4

場所を決めてしまったらあれこれ考えても仕方ないとは思うのですが、誰しも評価は気になるものです

クリニックモールの募集科目は信じていいの?

クリニック向けの物件を探すときにクリニックモールを検討する方は多いと思います。クリニックモールの募集要項をみると、「〇〇科に向いています」といった事がかかれていますが、あれは鵜吞みにしてはいけません。同じクリニックモール内にその科がないというだけの事がままあります。

診療圏調査

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クリニックの成功は立地7割?駅前か郊外か?#3

ひとまず銭湯のような動線で小児科と精神科を同じクリニックで共存させる事は決めました。

クリニックの立地、精神科と小児科で異なるニーズ?

クリニックが成功するかどうかは立地で7割程度が決まると思われます。精神科クリニックのいい立地といえば、駅近の方が通院の利便性が高いと思います。そして、あまり表通りに面しているところよりは一本筋を入ったところとか、ビルの2階以上がいいように思います。小児科の場合どうでしょう? 続きを読む

小児科と精神科のコラボ#2

旧知の小児科医にサテライトクリニックの院長を引き受けてもらう事が決まって、どういう運営形態で運営していくのか頭を悩ませました。

メイン小児科、サブで精神科?

小児科のクリニックをオープンした場合、院長の小児科医は普通に週4日半小児科(内科)の診察をして、それと並行して病院の常勤の精神科医が午前のみ週にそれぞれ1回か2回ずつ行って診察をするスタイルをとるしかないかなと考えました。

わたしの経験では、内科と小児科だとか、内科と皮膚科だとか、内科心療内科精神科だとか、そういった科が同じクリニックにあるのは見た事がありました。夫が内科で妻が皮膚科だとはやる時期がちょうどずれるしすごくうまくいく的な話は聞いた事があります。さて、小児科と精神科が一緒のクリニックにあって大丈夫なのかな?というところが少し心配ではありました。

落としどころは銭湯スタイル?

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旧知の小児科医、田舎で窮地に#1

旧知の小児科医

私の大学時代からの友人で、小児科の先生がいました。その先生は小児科医になるくらいですから非常に真面目な先生で、名古屋大学の小児科医局に所属していました。名古屋大学の小児科医局は、他の医局と同じように医局人事があって基本的に独身の男性は遠くに飛ばされやすいというよくある医局でして、彼もある山深い地方都市の中核病院に赴任を命じられました。

地方都市の小児科医は激務

その病院は結構田舎にあるのですが、田舎ゆえに医療圏が広くて人口密度は低いけど、医療圏内人口は多い病院でした。常勤医3名、コール当番が週2,3回あって、出産も扱っている病院でした。コール当番なんだから呼ばれない時もあるとお思いになるかもしれませんが、小児の急患だけでなくて出産などでも夜中に呼ばれるので、コールといっても実質ほとんど当直のようなかなりの激務と想像されます。

睡眠不足と激務で窮地に

彼のその病院への赴任と、私の相模湖病院への転職は同時期で、距離は遠く離れていましたが、定期的に連絡はとっていました。当時は以前からしていた非常勤の外来を名古屋でまだ月に一回ほど続けていたので、2,3か月に一度会ってました。「転職して急に理事長になることになりそうだよ」などの相談もしていました。彼は基本的にストイックでハイパーな人間でしたが、やはりそれだけコール当番が頻回にあると、激務と睡眠不足が重なり疲れが溜まっていったようです。会うたびに、徐々に元気がなくなっていってしまって、まさに過労による適応障害になる一歩手前という感じでした。

サテライトクリニック院長を打診

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Ⅲ-5 メインバンクからの提案

名ばかりとはいえ理事長になりましたから渉外業務も少しずつ出てきます。病院の改革と並行して少しずつこなしていきました。

メインバンク担当者と面会

当時のメインバンクは某大手地方銀行で、そこから10億円強の借入金がありました。債務超過になっていますから、うちの担当は支店の担当者ではなく、経営が危ない取引先を担当する本部の部署が担当でした。いいスーツを着たその担当者と面会すると、「法人の最高責任者である理事長と連帯保証人が異なるというのはコンプライアンス上好ましくない」という事を言われました。遅かれ早かれそういう事を言ってくるだろうと予想していたので、「とはいえ、わたしとしても自分に一切責任のない債務の事は責任を持ちたくない、むしろここまで貸し付けた方の責任もあるんじゃないですか?」と返しました。

メインバンクからの提案

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