経営コンサル

診療圏調査・コンサルの提案する物件は??#2

ファーストチョイスに挙げた相模大野駅周辺で家賃の割安な物件は見つかりましたが、駅の周辺に既存のメンタルクリニックは5件と非常に競合の激しいところでした。

コンサルタントに診療圏調査を依頼

一応コンサルタントの人に診療圏調査をしてもらいました。某大手調剤薬局の傘下のコンサルで無料でやってくれました。その調査の結果は当然競合がそれだけ多いのであまりいいものではありませんでした。彼らが提案してきたのはその隣の駅、小田急相模原駅はどうか?というものでした、親会社の調剤薬局のつくるクリニックモールの物件でした。確かに、コンサルの提示した診療圏調査そのものを見ると相模大野駅で作るよりも小田急相模原駅で作る方が良い結果なんです。

診療圏調査とは?

診療圏調査は、どういうアルゴリズムで患者数をはじき出しているのでしょうか?開業予定の場所を中心に半径500メートルなり1キロなり3キロなりにどれくらいの人口がいて、そのうちの何パーセントかが受診すると患者さんの数がこれだけいて、それを単純に競合クリニックの数で割るというアルゴリズムで出しているところが多いと思います。内科などの場合は基本的に家の近くの病院に行くという方が多いのでそれでいいんですが精神科の場合はどうなんでしょうか?

精神科の特殊性

続きを読む

Ⅲ-11 最終決断、連帯保証を引き受ける?

再生計画の最終案、債務カットの額、などが出そろって、いよいよ最終決断です。この時点でやっぱ無理です。と言ったらヒンシュクを買うのと、費用が1000万ほどかかりますが、まだ一応後戻り可能でした。

再生支援を受けた場合のメリット

まずは10億の債務カットです。これの利息だけで3000万弱収支が改善します。

もう1つは支援機構からスタッフが送ってもらえること。わたしは、経営、マネジメントは素人でしたから助かります。

受けた場合のデメリット

連帯保証人にならないといけないので、もし再建に失敗したら、その時点でいったん自己破産です。

気になる点 続きを読む

Ⅲ-10 債務カット10億!

再生計画は、熾烈な綱引きののちにほぼほぼ最終案ができてきました。

資産の再評価ののち、債務超過は12億強

再建計画を立てると同時に資産の簿価の見直しも行われました。建物や土地などを含めた資産から債務を引いたらマイナス10億ですよ、といわれていたわけですが、それはあくまで帳簿にのせた時点の価値でありますから、資産の価値を再評価してみる事になりました。このような作業は通常行われるようで、JALの時も行われています。

なぜ行われるのかというとその時の資産を適正価格で評価する必要があるという事。債務カットが行われると、カットされた分は利益になってしまいます。利益になればその部分には法人税がかかってしまうので簿価損を算入して利益を圧縮するという狙いもあります。JALはこの時に航空機の簿価損が莫大で何年間も法人税を払わなくてよくなった事は有名です。

当法人も資産の再評価を行ったところ簿価が下がり、債務超過は増加して債務超過は12億強という事になりました。

再建計画の最終案は?

続きを読む

Ⅲ-9 再生計画をめぐる綱引き

引き返せるぎりぎりまでは進んでみようと決意し、支援機構に現状分析をお願いしました。

メインは病院再生計画

法人の再建の中でもメインとなるものは病院の再生で、支援機構が再生を支援するからには、旧来の精神科病院のスタイル(患者さんを入れっぱなしにするというスタイル)からの脱却というものがメインテーマになりました。

新入院患者数5倍?

コンサルタント会社(転職の時に見学行った病院の経営をしていた会社でした)(Ⅰ-3 病院見学 医師紹介会社のエージェントは役に立つ?)や再生支援機構のスタッフからあった提案は、毎月の入院を30名にしましょうというものでした。ちなみに私が入職する前は、1日3人しか診れない院長でしたから月の入院が数名という状況でした。(Ⅱ-2 トンデモ院長part2 )。私が入職した後でもやっと月5名くらい、年間で60名程度でしたから約5倍です。

30名というのは途方もない数字です。200床弱の病院で30名毎月入院するということは3か月で半分の患者さんが入れ替わっているという状況ですから。

新入院毎月30名の根拠は?

続きを読む

Ⅲ-7 再生支援機構に支援をお願いするか?

支援機構のスタッフからはわたしを中心に再建を図る方向で、と提案を受けましたが、それはすなわち連帯保証人になるという事です。債務カットがどれくらいされるのかわかりませんが、現状借金は20億です。

もし支援を受けなければ

わたしが転職する前年の決算では法人全体で100万の経常利益、わたしが転職して一年目が5000万程度の経常利益、経営に関心のない院長が交代したのでもう少しはよくなるだろうという事で仮に経常利益が7000万としても、記事に書いたように(Ⅱ-6 借金20億!債務超過?BS?PL?)債務カットがなければどこかで大きな修繕がきた時点で詰みます。

もう少し、利益が増やせて、かつ15年くらい大きな修繕がこなかったとしても(かなり都合のいい仮定です、こういう発想はだいたい失敗をします)連帯保証人になっている方が70歳を超える高齢で、いつ亡くなるかわからない。もし財務状況があまり改善していない早期に亡くなってしまうとそれでも詰みます。

もし支援を受けたら

続きを読む

Ⅲ-6 再生支援機構のスタッフ来院

メインバンクから提案のあった再生支援機構の事をどうしようかとしばらく悩みました。

メインバンクの思惑がやはりわからない

先ほどの記事(Ⅲ-5 メインバンクからの提案)にも書きましたが、銀行にとって利益がなければこの話はもってこないだろうと考えていました。でもわたしに思いつく銀行のメリットははたしてそれなりの債務カットに見合うものなのか判断ができません。メインバンクからの出向だった経理部長に聞いてもはっきりしません。

自分にとってのデメリットは?

そこで逆に自分にとってデメリットがあるのかを考えてみたり、友人の弁護士に聞いてみたりしました。

最大のデメリットは連帯保証人になる事で、それはハンコを押さなければいきなりなるという性質のものではありません。しかも当時の私には資産らしい資産もありませんでしたから、万が一連帯保証を引き受けても被害は限定的だろうと考えました。

虎穴に入らずんば虎子を得ず、まずは支援機構の人と会ってみようと思い、そのように返事をすると、後日、支援機構のスタッフが来院することになりました。

実は二回目の訪問

続きを読む

コンサル会社の評価は?診療圏調査#4

場所を決めてしまったらあれこれ考えても仕方ないとは思うのですが、誰しも評価は気になるものです

クリニックモールの募集科目は信じていいの?

クリニック向けの物件を探すときにクリニックモールを検討する方は多いと思います。クリニックモールの募集要項をみると、「〇〇科に向いています」といった事がかかれていますが、あれは鵜吞みにしてはいけません。同じクリニックモール内にその科がないというだけの事がままあります。

診療圏調査

続きを読む

Ⅲ-5 メインバンクからの提案

名ばかりとはいえ理事長になりましたから渉外業務も少しずつ出てきます。病院の改革と並行して少しずつこなしていきました。

メインバンク担当者と面会

当時のメインバンクは某大手地方銀行で、そこから10億円強の借入金がありました。債務超過になっていますから、うちの担当は支店の担当者ではなく、経営が危ない取引先を担当する本部の部署が担当でした。いいスーツを着たその担当者と面会すると、「法人の最高責任者である理事長と連帯保証人が異なるというのはコンプライアンス上好ましくない」という事を言われました。遅かれ早かれそういう事を言ってくるだろうと予想していたので、「とはいえ、わたしとしても自分に一切責任のない債務の事は責任を持ちたくない、むしろここまで貸し付けた方の責任もあるんじゃないですか?」と返しました。

メインバンクからの提案

続きを読む