Ⅳ-3 利益を増やすには?KPI・KGI

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事で利益の基本を述べましたが、具体的には何をやればいいのでしょうか?

売り上げを増やすには?

病院の売り上げは患者数×入院単価で決まります。職員に「稼働をあげよう(=患者数を増やそう)」というのはまだいいと思いますが、「単価をあげよう」と言ってもそのためには具体的に何をすればいいの?って事になります。

単価を上げるには?

単価を上げるためには単価がどのような内容で決まっているのかを分析する必要があります。ほとんどの病院でレセプトは電子化されていると思いますので、レセコンからデータを出力し、最低でも数か月、できれば2年くらいは遡ってデータを見てみます。その時わからない項目があれば白本を読みましょう。しろぼんねっと(しろぼんネット)などのサイトを使ってもいいと思います。

KPI・KGIとは?

KPIは(Key Performance Indicator)の略称で日本語では「重要業績評価指標」と言われます。

KGIは(Key Goal Indicator)の略称で、日本語では「重要目標達成指標」と言われています。一般的には、KPIでは業務プロセスのパフォーマンスを評価基準としていますが、KGIは企業や事業の目標、つまり売り上げや利益、課題の達成レベルなどを評価基準とします。

具体的にいえば、毎月の売り上げ目標を1億とするのがKGIで、そのためには毎月の患者数の目標は○○人で単価も目標は××円と設定するのがKPIといってもいいとは思いますが、それではなんら具体化していません。

そこで、レセプトの細目のうち、売り上げを改善するために重要だと思われるものをKPIに設定します。モニタリングは毎月レセプトを提出した時にやればいいと思います。

目標をどのように共有するか?

あまり細かい項目を全職員と共有するのも無理があると思いましたので、相模湖病院では、医師、事務長、看護部長、経営企画部のメンバーと細かなKPIを共有し、全職員向けには、患者数、単価、新規入院患者数、の3項目だけを共有するようにしました。また、それぞれに目標を設定し、目標との差で賞与が決まる仕組みにしました。毎月、数字が出ると、このままだと次回の賞与は+〇〇か月とわかるように毎月発表していました。

このように決めたのは以前勤めていた病院で、賞与の時期になると理事会が開催され、「次回の賞与は2.38ヶ月です」と発表されたのですが、なんの根拠も提示されなかったのが納得いかなかったからです。

売り上げを増やす事は正義なのか?

診療報酬を決める際、厚生労働省が考える方向に誘導するように点数をつけていますから、点数が増えるように考えるのは厚生労働省の考える医療に沿っている事になります。

「売り上げを増やす」という事を職員に言うと必ず一部の職員から「金の事ばかりいう」とか「患者第一ではない」的な批判を受けます。以前にも述べましたが、多くの場合はそう言っている職員は今までのぬるま湯体質がよかったと思っているだけで、自分がさぼりたいから言っているだけです。気にする必要はないです。法人のクレドにも盛り込みました(早雲会のご紹介)が、「恒産なくして恒心なし」。確かな経営基盤なしにいい医療、いい介護は提供できません。「貧すれば鈍する」です。

こう言っていますが、実際に批判を受けると精神的にきついのは間違いないです。当時は業績が改善して賞与がかなり増額された時に職員アンケートをとったのですが、「経営の事だけ考えて患者の事を考えていない」と執拗に書く職員がいました。「名乗り出て賞与の増額分を返上しろよ」と思っていました。

 

<前の記事-Ⅳ-2 病院の利益についての一般論- <「相模湖病院再建、機構卒業まで」記事一覧>  -Ⅳ-4 利益を増やすためには経費を削ればいいのでは?-次の記事>

病院経営にお悩みの方

精神科病院の経営セミナーに出席すると、スーパー救急病棟を作ってこんなに単価が上がりました。という話をよく聞きます。いかにもコンサルタントが好みそうな話です。

「単価が上がれば、仮に稼働率が少し落ちてもこんなに収益が上がります」果たしてそうでしょうか?

早雲会では精神科病院経営について、スーパー救急病棟を作る以外の処方箋を持っています。経営がうまくいっていないが何から手をつけていいかわからない経営者の方々からの問い合わせをお待ちしております。


病院経営にお悩みの方

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください